数年後に退職されるご主人と奥様、ピアノの先生をされているお嬢さん、ときどき帰省される息子さんの4人家族の為の住まいです。長い時間をかけ打ち合わせたプランの中で特長的なものは玄関から続くホールと家の中心にある音楽室です。ホールはゆっくりとした時間が流れるように目的を持たない空間になっています。椅子を出して本を読んだり、雨の日の物干場であったり、その時々の住まい方に合わせてかわってゆく、そんな空間になってほしいと計画しました。音楽室は勝手口、WCからの動線を考えまた将来リビングとして使える位置に計画しました。この住まいが永い年月をかけて自分達らしい住まい方を探していく、その日常をつつみ込むやわらかな器であったらと考えています。