仕事をリタイヤされたご夫婦のための住宅です。敷地が第1種低層住居専用地域であったため、容積率・建蔽率の制限が厳しく、当初は新築を諦めていらっしゃいました。近年、戸建住環境形成地区に指定され、一定条件を満たすことで容積率・建蔽率に余裕が生まれることが分かり、建て替えに計画がシフトしました。屋上・壁面の緑化、温熱環境への配慮、ご夫婦2人のための最適な省エネルギー装置など色々なテーマをいただき、話し合い、提案し、変更や削除の繰り返しから今の形や空間に落ち着きました。新築時は内部の軟らかい質感に比べ、外観は打ち放しコンクリートによる硬い印象が目立っていました。1年を過ぎた現在は周囲の緑が育ち、さらにこれからナツヅタが壁面を覆い、馴染みやすい風貌に徐々に変わっていく予定です。