かわつひろし建築工房 | MNH
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MNH

養護老人ホームの建て替え計画です。
養護老人ホームは、環境的な理由や経済的に困難な高齢者が自立した日常生活を送り、社会活動に参加できるように支援する施設です。
既存の施設はRC造平屋でしたが、構造・設備共に老朽化が進んだことやニーズに合わない室構成であったこと、また系列の施設から離れていたことなどが移転建て替えの要因でした。
同じ社会福祉法人の特別養護老人ホームに近接した位置に求められた新しい敷地は、東側前面道路に25m接し、東西が75mある奥行きの深い敷地でした。ここに50の個室と共用・管理室を備え、畑であった軟弱な地盤を考慮した木造2階建て、福祉施設に求められる準耐火構造の建物を計画しました。
「さりげなさの中に生き甲斐を」がクライアントからのコンセプトでした。
近隣は関連施設である5階建ての病院はあるものの、新旧の住宅が周りに建つ環境でした。そのことを考慮して、ボリューム、外観、色彩、テクスチャーに隣接の住宅との親和性の高いたたずまいをめざしました。平屋のパーゴラを建物周囲に配して内外から緑を身近に感じることで、屋内・屋外・敷地外の連続性に配慮しています。平面構成は、入居者の利便と感染症対策に隔離が容易でユニット化できるように、中央に共用・管理部門を設け、両翼に各居室を配置しました。
この施設が施設利用者にとっての我が家となり、パーゴラや植栽の緑が茂り、昔からそこにあったような、近隣からも身近な存在になることを期待しています。

 

所在地:熊本県上益城郡
敷地面積:1901.28㎡
建築面積:866.41㎡
延床面積:1604.3㎡
主体構造:木造
階数:地上2階建て
写真:YASHIRO PHOTO OFFICE